9月4日(日)の深夜。日付的には5日(月)になっています。(前回から続いています)
もうクレートで寝かせるとかいう状況ではなく(昨晩はクレートで寝てた)、クッションをいくつも並べて、その上でいちばん楽な姿勢を見つけてもらって、落ち着いてもらおうとしていました。
でも、空豆さんは力を入れて脚を突っ張ったり、立ち上がろうとするんです。2-30分おきに立ち上がっては、よろよろと歩き、倒れそうになって飼い主に支えられ、クッションまで連れて行かれる、の繰り返し。
明るすぎると落ち着かないかな、かといって暗いと足元が見えないだろう、と照明をすこし落として薄暗い状態に。
飼い主としていろいろ考えるのです。
いままで犬を看取った経験はないけれど、命が終わるその瞬間が近づいているのはわかる。
苦しんでいる空豆さんを見ているのはつらいのです。
無理をせず横になっていて欲しいのに、気がつくと立ち上がる空豆さん。
立ち上がったタイミングでちょっとだけ吐いたり、下痢をしたりするので、トイレに行きたくて立ち上がってるのかなと思って、ケージの外にトイレを出して、寝ているクッションのそばに置いてあげたんですが、わざわざ遠回りをするというか、いつもの部屋内移動コースを歩こうとするんです。
結果、部屋のいろんなところに吐瀉物などが落ちるので、都度拭き取ったり。
さっき息が止まりかけた、というか一度止まったのに、なんでこんなに頑張るんだろう?
つらいよね、絶対につらいんだよ。無理せずに横になっていればいいのに。
もしかしたら腕の重さがつらくて、横になると苦しい、みたいなことかと思って、タオルを挟んでみたりいろいろしたけど、急に立ち上がって、歩こうとする。
眠そうな人が、何がなんでも寝るもんかと頑張っているみたい。目が合うとハアハアしながらこっちをじーっと見ている。
いま、空豆さんにとって何がいいことなんだろう?
いろんな考え方があると思うのです。
様子見を続けるのではなく、お世話になっている救急病院に電話して診てもらう?(24時間受付なので)
でも、もうやることと言っても酸素の部屋にいれるくらいで、輸血ができるわけでもないし、そもそも病院に着くまで保つのだろうか?
治らないにしても、たとえば明日の夜まで保ってくれれば、週明けからのスケジュールを調整して、この戦いをとことん続けることもできるかもしれない。
それとも、むしろ鎮静剤みたいな、安楽死的な処置をしてもらうのがいいのか?その判断をできるのは自分だけなんだろうけど、その判断を自分がしていいのか?空豆さんは何を望んでいるのだろう?
もう考えがぐるぐるして、頭も朦朧としてくる。で、また20分おきくらいに空豆さんが立ち上がろうともがく。
土曜日に退院を勧められた時点で、状況が何も改善していないことはわかっていたけど、こんなに早いの? 1日ちょっとしか経ってないよね? こんなに急なの?
骨髄の検査結果が出るまでは元気でいてくれると勝手に思ってた。もちろんそんなことに何の保証もないのもわかってるけど。
3時30分ごろ、空豆さんが大量に嘔吐。昨日何も食べてないのに?
よく見ると、焦げ茶色の液体の中に、親指大の黒いかたまりが2つ。こんなのが喉から出てくるって何?
内臓を吐き出したのかと思って(いや、まさかとは思うけど、そんな気分になりました)、明るいところに持っていってみると、どうも凝固した血液っぽい。
ああ、こんなのが胃にできるような状況だから、何も食べないし、消化もしないし、嘔吐物の中に黒い粉が混じってたんだ。せっかく輸血した血液もこんなになっちゃってるんだ・・・。
のど渇いていないかな。水を口元に持っていっても飲まない。口の周りを多少湿らせてみるくらいしかできない。
嘔吐後、多少落ち着いたように見える空豆さん。けれど決して眠ろうとはしない。何度でも立ち上がろうとする。
夜が明けます。
空豆さんはまだ息をしている。明るくなってきた部屋でみると、歯ぐきがずいぶん白くなっている。貧血が極度に進んでいる。
意を決して5時30分に救急病院に電話。「輸血はできない前提で、できる範囲のことでよければします」という返事。急いでタクシーを呼んで空豆さんを連れて家を出ます。
タクシーの中で、私たちが住んでいるマンションの大家さんに連絡。犬を何頭も飼っていらっしゃって、血液型が合うかどうかはわからないけど、何かあったら協力しますと言ってくださっていたのです。その朝もすぐに連絡がつき、2頭を連れて後を追ってくださいました。
空豆さん、愛されてるよ。
- 7月22日(金)初回の通院
7月26日(火)血液検査→緊急入院 - 7月30日(土)退院
- 8月3日(水)通院検査・順調
8月10日(水)通院検査・不調
8月12日(金)深夜に嘔吐・下痢
8月13日(土)2度目の入院 - 8月15日(月)CT&内視鏡検査
8月16日(火)輸血・面会・ICU
8月17日(水)面会・ICU - 8月19日(金)面会・通常ケージ
8月20日(土)抗がん剤治療開始
8月21日(日)輸血・面会・ICU - 8月24日(水)面会・通常ケージ・点滴無し・2回目の抗がん剤
- 8月25日(木)輸血・退院
- 8月27日(土)通院検査・増量のため400kcal/日を目指す
- 8月31日(水)通院検査・3度目の入院
- 9月1日(木)輸血・骨髄検査
9月3日(土)夕方退院 - 9月4日(日)何も食べなくなる 23時台に嘔吐しながら倒れて呼吸が止まる
- 9月5日(月)明け方まで嘔吐・下痢が続く